セミナー参加しました:リピート型 通信販売事業における今後のビッグデータの活用


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関西学院大学大阪梅田キャンパスのマーケティング連続セミナーに参加してきました。

今回は第2回目で、「リピート型 通信販売事業における今後のビッグデータの活用」というテーマでした。株式会社ディー・クリエイト代表取締役/株式会社大広執行役員である大串 浩章氏が講師でした。大串氏は株式会社大広に在籍後、一時会社を離れて株式会社ディー・クリエイトを立ち上げ、某通信販売のダイレクトマーケティングで主にコールセンターの運営をされ、また大広に戻られたというご経歴だそうで、「B2Bである広告のことは分かるが始めはB2Cのことは全くの未知、ただコールセンターでクレーム対応を続けたことでB2Cがよく分かった」というお話が印象に残りました。そんな経歴からか講演は大きく2パートに分かれていまして、

  1. リピート型通販におけるダイレクトマーケティングの実践
  2. 広告業界から見たビッグデータのトレンドと今後の展望

という構成でした。

ここでは伺った内容を全部紹介することは出来ませんが、各パートで印象に残ったことを挙げたいと思います。

リピート型通販におけるダイレクトマーケティングの実践

  • 旧来の通販は売り切り型で新規顧客獲得のみを行っていたが、今の通販はリピート型であり、安定的なビジネスが行える←:ITサービスのクラウド化と似ていると感じました。
  • リピート型の通販では顧客の維持が重要であり、LTVを最大化するダイレクトマーケティングが重要
  • 今のビッグデータは、顧客維持というより新規顧客獲得においてコスト削減を見込めるというところで期待されている
  • LTVには、継続取引による基礎利益だけでなく、購買単価アップへの期待値、新規顧客獲得に比べての経費削減要素、口コミによる紹介期待値、および上位顧客における価格安定効果までを考慮することが出来る
  • ダイレクトマーケティングの核となるのはデータベース活用。RFMによる顧客管理が王道とされ、通販業界では必ず実施しているはずだが、精緻に実行しているところは少ない。これは例えば古くからやっている組織に見られるパターンで、データの設計が分析に適していないということがある
  • 扱う商材の単価のばらつきが大きくないので、RFMの内RとFが重要でMは補助的に見る。逆に百貨店では頻度が低くても一回で高額の買い物をする顧客がいるのでMまで考慮するだろう
  • ビッグデータを活用するとは個客に迫ることだが、今のところRFM分析の王道はクラスター分析
  • R×Fを3段階ずつ、9クラスタに分類してそれぞれ施策を変えていくのだが、実際はその中でもデモグラフィックを考慮したりかなり細かくやっている。シンプルに見えるが運用は大変
  • 各施策の予算配分について、新規顧客獲得においては限界LTV(例えば1年の期間を区切ったときの収益期待値)を超えないように予算設定し、既存顧客に対してはその1/5程度、という感じで全体の予算配分はするが、各クラスタ毎の配分ルールというのは特にもうけておらず、全体予算の中で各施策毎に考えるということにしている
  • クラスタを分類する意味は、顧客を差別するということで、例えば優良顧客からの問い合わせは優先的に対応するといったことも実施する
  • ダイレクトマーケティングにおける一番重要なビッグデータは、「顧客の声」である。これは事業構造上明らか。このデータの取り扱いは、特に集計したりツールで分析したりということをせず、会話ログのテキスト自体をひたすら眺めることが重要で、手で分類したりしている内にパターンが見えてきたり、少数意見ながら重要な改善点に気づくこともある

広告業界から見たビッグデータの現状と今後の展望

第三者配信とアトリビューションマネジメントがキーワードだそうで、理論的には広告予算配分の最適化まで出来るはずだが、現状ではまだまだコストが高く、費用対効果が合わないとのことでした。ただし今後コストが下がれば普及するし確実にこの方向性に向かうだろうとの見通しを持っておられました。

今後の展望については、まだ構想中のアイデアということでしたが、そんな所まで話していただけるのかと少々驚きました。内容は伏せておきますが、既存顧客向けにビッグデータを活用していくことで事業を拡大出来るはずとのお話でした。

まとめ

意外にというか、分析技術的には高度な内容では無かったですが、顧客重視のマインドと運用が技術よりも重要なのだろうと思います。業界トップにおける実践事例を聞けて、大変勉強になりました。


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