価値観に基づいた人のモデル化が、様々な業界で取り入れられる理由



行動の裏には価値観がある

2012〜2013年のバズワードは"ビッグデータ","データサイエンティスト"で決まりでしょうか。
コンピュータの処理能力向上と、ポイントカードやWEBなどの行動履歴からなる入力データの増大で、今やいたるところにデータが転がっている状況です。
行動履歴からのレコメンデーション(これを買った人にはこれもオススメ)はいまや当然で、ゲーム会社はログ解析をもとに、人々が課金しやすいゲーム展開へといざないます。
これらは全てデータから導き出した「行動」あるいは商品の「カテゴリー」から推測するものです。

しかし、行動は表面に表れたものでしかありません。行動を起こす内側には人の価値観があります。価値観が多様化した現在では、顧客のセグメントを行う際、デモグラフィック(年齢、性別、年収など)よりもサイコグラフィック(パーソナリティ、生活価値観、ライフスタイル、ブランドロイヤルティなど)のほうが説明力が強くなっています。

価値観をもとに、人をモデル化した「Societas(ソシエタス)」

そこで私たちが注目したのは、人の価値観です。
価値観をもとに人を12のタイプにモデル化した「Societas(ソシエタス)」を作りました。

例としてそのうちの一つを挙げます。

No.4-1 自分中心的なアクティブタイプ

性格 自分磨きや自己成長に余念がない上昇志向タイプ。恋愛にも積極的。
お金・時間 友達や仲間と過ごす時間が好きなアウトドア派。貯蓄をしているが、自由にお金を使う余裕がある。
コミュニケーション 今の仕事に満足していて、お金だけでないやりがいを感じている。社交的で大勢の人と触れ合うのが好き。一方で、家庭を持つことへの憧れがある。
消費行動 ファッションが好き。ショッピングモールにもよく行く。自分をアピールすることができる。人とは違う物や個性・遊び心、高級・特別感を感じる物を好む。知人やインターネットが情報源。

このような人の価値観モデルが12個あり、下記にその分布図を示します。
#1−1 受け身な隠者タイプ、#1−2 受け身な清閑タイプ
#2−1 家族大好き悠々タイプ、#2−2 家庭的な真面目なタイプ
#3−1 こだわりインドア派タイプ、#3−2 アウトロータイプ
#4−1 自分中心的なアクティブタイプ、#4−2 好奇心旺盛なバランス人間タイプ
#5−1 家族思いの多忙ワーカータイプ、#5−2 社交的な堅実ホームメーカータイプ
#6−1 繊細な個人主義タイプ、#6−2 好奇心旺盛な人生謳歌タイプ

これは日本社会の人の縮図です。
これを使い自社の顧客を分析するだけでなく、社会全体と比較しどのような価値観を持った顧客が多いのかを知ることができます。その考え方に新しさと有用性を感じていただいた日用品、外食、製造業、マスコミなど、多岐にわたる業界の企業様から分析のご依頼をいただいております。

Societas(ソシエタス)をハブにして、他のデータとつながる。

たった10問程度のアンケートに答えてもらうだけで、自社の顧客が持つ価値観、また価値観別の顧客の分布図がわかる。それだけでも非常に価値があると考えています。しかし本当のSocietas(ソシエタス)の強みは、単なる分析を超え、推論ができるところにあります。

例えば、外食産業のとある企業様で「4−1 自分中心的なアクティブタイプ」が多く、「4-1」の人は「食事は味にこだわるよりも、友達とワイワイやるのが好き」だとしましょう。ここまでが自社の分析。そこから先はSocietas(ソシエタス)をハブにして、他社のデータとつながります。

Societas(ソシエタス)のデータベースには個人情報は一切入っていないため、この「4−1」というSocietas(ソシエタス)番号は、他の企業で「4-1」と分類された顧客ともつながります。仮に、とあるマスコミ企業の顧客のSocietas(ソシエタス)分析に基づくと「4-1」の顧客は「アニメは見ない。典型的ドラマ視聴派」である、といった具合です。この結果から、先ほどの外食企業様にとっては、アニメ番組ではなくドラマにスポンサー提供すべきであるし、アニメキャラクターとのコラボレーションにはさほど意味がない、といったことが推察されます。

これが、一社だけのデータでなく、様々な業界のデータが蓄積されているSocietas(ソシエタス)の強みであり、我々がSocietas(ソシエタス)を「社会知」と呼ぶゆえんです。

現在も様々な企業様からSocietas(ソシエタス)分析を使いたい、というご要望をいただいており、そのたびにSocietas(ソシエタス)のデータが増え、精度が向上している…手前味噌ではありますが、マーケティング担当の方々の顧客セグメント手法は、デモグラフィック、サイコグラフィックに加えて、Societas(ソシエタス)になる日は近いだろうと考えております。

参考文献:和田充夫、恩蔵直人、三浦俊彦 株式会社有斐閣 ”マーケティング戦略",1996


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