石のスープ


今回は少し短めに。

子供の頃、世界の童話などの全集を与えられて良く読んでいたのですが、その中で「石のスープ」という話がとても印象深く、今でも時折思い出すので、そのことについて書きます。

Wikipediaからあらすじを引用します。

飢えた旅人(僧侶とも)が集落にたどり着き、民家に食事を求めて立ち寄ったが、食べさせるものはないと断られてしまった。
一計を案じた旅人は、路傍の石を拾うともう一度民家にかけ合った。
「煮るとスープができる不思議な石を持っているのです。鍋と水だけでも貸してください」
興味を持った家人は旅人を招き入れた。
旅人は石を煮始めると「この石はもう古くなっているので濃いスープになりません。塩を加えるとよりおいしくなるのですが」と説明した。
家人は塩を持ってくる。
旅人は同じようにして、小麦と野菜と肉を持ってこさせた。
できあがったスープは見事な味に仕上がっていて、何も知らない家人は感激してしまった。
旅人はスープのできる石を家人に預けると、また旅立っていった。

ヨーロッパ各地に伝わるお話のようで、私はロシアのお話しだと思っていました。
細部も違っており、私の記憶では、鍋を借りた後は村の広場で調理を始め、村人が興味を持って近づく度に
「今のままでもいいが、○○があるともっとおいしくなるのだが」といって色々と材料を出させるという筋でした。
また、背景として、その村は貧しく、各家庭はそれぞれ偏った材料しか持っておらず、
協力して材料を出し合うことは出来てなかったという説明もあったように思います。

この話のポイントは

  • 石には意味が無いが、少しの嘘で人の注目を集める
  • 一度に少しずつの協力を幅広く求めることで、負担感を下げる
  • 鍋が煮えている様子を見せ、おいしそうなにおいがしてくることで、先への期待感を持たせる
  • 結果として、村人もおいしいスープを飲むことが出来た

といったところでしょう。

Wikipediaにもありますが、石は「協力を集めるための呼び水」であり、
インクリメンタルに成果をアピールしている点はアジャイル開発を思い起こさせます。
「今のままでもいいが、○○があるともっとおいしくなるのだが」という言い回しは上手く出来ています。
途中で味見をさせないところに、少し詐欺っぽい感じが残るのですが、
正しい目的をもって、途中経過で周囲を納得させ続けることが出来るなら仕事においても役に立つ教訓だと思います。


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