人間にフォーカス


私たち研究開発グループは、定期的に"人の価値観"について調査しています。
コレを見てどう感じた?どう思った?どう行動した?
同じものを見ても感じ方が人それぞれ違うように、人の感じ方や行動の背景には価値観があります。

私たちの研究以外でも、研究対象に人間の心理を絡めるものが多くなってきています。
行動経済学しかり、ゲーム理論しかり。
コンピュータの発達で人工知能の分野が発達してきたことも背景にあるでしょう。
人間の心理をからめると、それまでの研究がさらに発展していると思います。
そんな背景をもとに2冊の本をご紹介します。

一冊目は、
「前野隆司著 幸せのメカニズム 実践・幸福学入門 (講談社現代新書)」
著者はバリバリの理系。
技術が人を幸せにすると信じて最先端の技術を磨いてきた。日本のGDPは増加した。でも、1960年頃と幸せ度は変わっていない。そのことに驚愕を覚えるのです。

そして、「幸せ」という漠然としたものに、論理的アプローチをしています。
ここでは幸せ感を構成する要素を明らかにするため、幸せの因子分析をしています。
様々な先行研究をもとにアンケート調査をした結果、幸せに関わる4つの因子が出てきたそうです。

  1. 「やってみよう!」因子
    コンピテンス、社会の要請、個人的成長、自己実現
  2. 「ありがとう!」因子
    人を喜ばせる、愛情、感謝、親切
  3. 「なんとかなる!」因子
    楽観性、気持ちの切り替え、積極的な他者関係、自己受容
  4. 「あなたらしく!」因子
    社会的比較志向のなさ、制約の知覚のなさ、自己概念の明確傾向、最大効果の追求

例えば「あなたらしく!」因子の「最大効果の追求」は、テレビを見るときはあまり頻繁にチャンネルを切り替えない、など日々の行動に落としこんでくれています。
上に挙げた1〜4の因子を日々意識して行動するだけで幸せ度はアップするそうです。試す価値あり。

あと、これはよく言われますが、幸せ=カネじゃないそうです。
私は俗人なので、宝くじのコピー「お金があっても幸せとは限らない。って、お金持ちになって実感したい!」にもっぱら共感。でも、そういえばヒュー・グラント主演の「アバウト・ア・ボーイ」でも、お金も時間も有り余っている独身貴族のヒュー・グラントが近所の男の子にスニーカーを買ってあげることで、じんわりと幸せな気持ちになっていたっけ。まさに「ありがとう!」因子。その気持ちにも共感します。

もう一冊。
ダン・アリエリーの「予想通りに不合理」

行動経済学を一気に広めた有名な本。
人間が常に合理的な取引をするという経済学と違い、
この本では人間がいかに合理的な判断をしないかを様々な実験を通して明らかにしています。

著者のダン・アリエリーは「高価な偽薬(プラセボ)は安価な偽薬よりも効力が高い」ことを明らかにしてイグノーベル賞を受賞しています。
これは、ドゥ・ラ・メール(3万円くらいの高級クリーム)とニベア(ドラッグストアで300円)がほとんど同じ成分だと聞いてはいるけど、ドゥ・ラ・メールのほうが贅沢な気持ちになる、というのと似ていますね。これでドゥ・ラ・メールのほうがお肌に効果があれば、まさに同じこと。

この人間の心理への研究は、経済学を現実に近いものに変えてきました。
私たちの人間の価値観を深堀りする研究も、今までの分野とコラボすることで発展していくことを目指しています。


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