ネット選挙とマーケティング・リサーチ 【支援者のクラスタリング】


選挙でも市場調査は行われています。
候補者は国民が何をもとめているか把握し、そのニーズを満たす政策を考えて選挙に出馬します。
市場のニーズを把握し、市場に商品を供給するマーケッターに似ていると感じるのは私だけでしょうか。
今回はあるお客様のネット選挙支援策の一つとして弊社が行った、支援者のクラスタリングについてお話させて頂きます。

◆選挙支援用価値観クラスタ

なぜ必要か

今回のお客様はネット選挙の支援を必要とされていました。
ただし、ネット上の支援者は顔も見えないので、表情も見えないし、年齢もわかりません。
個別にコミュニケーションを取ることは技術的には可能ではあるが、限られた選挙期間では難しいでしょう。
そこで弊社は支援者をクラスタリングして、支援者が関心がある施策について候補者の考え方、施策を伝える事をご提案しました。

何を行ったか

当初、弊社の価値観モデルである(Societas:ソシエタス)を用いて、クラスタリングを行おうと試みました。
なぜならば、支援者の興味は価値観に寄与するところが大きいのではないかと考えたからです。
だが、それは上手くいきませんでした。
Societasは飽くまで、一般的な価値観をモデルにしており、政治的な事の関心とは関連が薄い。
そこで、我々はクラスを作成する際の分析手法を見なおしました。

Societasは2段階の分析を行っています。
まずアンケートを入力とし、価値観を確率分布として計算します。
その情報を元にSocietasを推論するのです。

flow

我々は一旦、61の価値観の確率分布立ち戻り、そこに選挙特有のアンケート項目の回答を加えて再分析し、推論モデルを作成しました。
この推論モデルは「改新層」「保守層」「安定層」と名付けられたクラスに支援者を分けます。
出力をSocietasの12クラスよりも少なくしたのは、施策を打つ際のコストとスピードを重視したからです。
施策の的中精度は落ちるかもしれませんが、今回、ターゲットに興味を持ってもらいたいのは候補者自身です。
細かい施策一つ一つに関心をもって貰うのではなく、候補者自身の政治への考え方を伝えたかった。
候補者に興味をもってもらえれば、街頭演説、講演会などで正確な話は聞けるはずです。
「メール開封率より、共感を」今回はこれに重きをおきました。

classes

どう活用したか

ネット上の支援者に弊社Synergy!360アンケートをとり、前述のモデルでクラスタリングを行いました。
今回のお客様はSynergy!360でメールマガジンを配信される予定だったので、クラスごとにメールの最適化をしました。
支援者にはより関心の高い記事が早く届くようになります。この事で有権者はより早い段階で、候補者に興味を持ってくれるはずです。

結論

お客様は大差で当選しました。

弊社の施策の効果がどの程度あったのか。
それは正確に測定できていないのでなんとも言えません。
ただ、今回の分析を通じて、我々は以下の事を学びました。

  • Societasを価値観に戻して、クラスを再構築する事で、お客様毎に最適な独自のクラスタリングをできる

我々にネット選挙支援のチャンスをくださった、お客様に只々、感謝します。
ありがとうございました。


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