中国のネットリサーチについて


インターネットの普及により、アンケート調査の実施を紙からオンラインリサーチに切り替える事例が多くなってきました。今回は中国におけるオンラインリサーチについてご説明いたします。

中国におけるオンラインリサーチの方法について、調べたところで厳密な定義はありませんが、

  • 自助调查(セルフアンケート)
  • 样本服务(サンプルサービス)

の2種類があると思われます。

自助调查(セルフアンケート)

自助调查とは、オンラインのプラットフォームを経由してアンケートを作成し、調査フォームを公開して調査を行うことを言います。
多くのプラットフォームにおいて自助调查は、

  • ■ アカウントの新規
  • ■ アンケートの作成
  • ■ アンケートの公開

が無料になります。

ただし、公開してもなかなか回収率が少ない(回答者が集まらない)という問題があります。
これを解決するためには、以下の方法が使えます。

  • ■ プラットフォームの有料オプションを利用する。
    • ・ハイライトしてもらう、或いはランキングの上位に出してもあらう。
    • ・プラットフォームの提供会社が持つアクティブユーザ(回答者)の名簿にランダムに(もしくは条件指定で)誘いのメールを出してもらう。
  • ■ 賞金(謝礼)や懸賞景品を設ける。
    • ・プラットフォームを経由して、承認した回答者(アンケート実施者が回答内容によって判断)に賞金を出す。
    • ・直接に回答者に懸賞景品を郵送する。この場合、景品の送付先はプラットフォーム側が教えてくれます。
  • ■ 無料の仕掛けを使う。
    • ・自力でアンケート調査フォームを(メールなどで)配布する。
    • ・「互助コミュニティ」の仕組みを利用する。

 
有料オプション。有料オプションは、プラットフォームにサービス利用料を支払って、アンケートをハイライトしてもらったり、回答依頼のメールを送信してもらったりするというサービスです。実際に回答の回収にどれくらいの効果があるかは各プラットフォームによって異なります。

賞金。賞金システムは日本におけるポイント制と似ている仕組みです。アンケート実施者はまず設問数などの要素を考慮して、賞金額(または懸賞景品)を決めます。そして、プラットフォームを経由してジョブを公開し、回答者の方にアンケートを記入していただきます。設定した条件で、回答の有効・無効を判断し、プラットフォーム側がこれをもとに賞金を回答者に出します。なお、賞金はあらかじめプラットフォームに預かってもらい、大体の場合は手数料として20%がプラットフォームに支払われます。つまり、回答が有効と判断される回答者は、最終的に賞金の80%がもらえます。このやり方だと、普通のクラウドソーシングのプラットフォーム(非オンラインリサーチ専門)でもアンケートの実施ができます。

「互助コミュニティ」(無料の仕掛け)。これは中国独特な仕組みかもしれません。「互助」の流れは:①アンケート実施者は「互助コミュニティ」に入り、ベースポイントをもらって自分以外のアンケートに回答します。②回答が完了すると、設問数によってポイントが付与されます(ただし、回答がアンケートオーナーに無効と判断される場合は、ポイントが減点されます)③このポイントを積み上げていくと、自分が公開したアンケートはランキングが上昇します。④公開したアンケートはランキングの上に出るほど、ほかのコミュニティメンバーによる回答の可能性が高くなります。⑤アンケートが回答されると、設問数に基づいたポイントはアンケート実施者から回答者へ移行される。⑥そうすると、公開したアンケートは、ポイントの減少とともにランキング順位が下がります。この仕組みは、非常にすばらしいゲーミフィケーションの応用だと思います。

なお、試しに無料の仕掛けをやってみましたが、回収した回答数が非常に少なかったです(< 30)。そのため、回収したいサンプルサイズが多い場合(n > 100)は、有料オプションを利用するか賞金・懸賞景品を用意しておいたほうがいいのではないかと思います。

样本服务(サンプルサービス)

样本服务とは、プラットフォームを提供した会社がアンケートの実施を代行することを言います。样本服务は、あらかじめ性別・年齢・地域やSNSアクティブユーザなどの条件で調査したい対象を絞り込むことができるため、スクリーニング調査にも向いていると思います。なお、大体の場合は、有効サンプルのみが調査の料金に計上されます。また、样本服务は「サービス」であるため、納品されたデータには多少データの整形や基礎分析も含まれると思いますが、きちんとしたレポートが必要な場合は別途に料金が発生します。

利用できるサービス

自助调查

51调查:「样本服务」もできます。
问卷星:「互助コミュニティ」はすごく魅力的です。
※この2つのサービスは少人数(例えば、100人以下)の調査であれば、無料サービスでも行けます。

クラウドソーシング

Witmart:クラウドソーシングのプラットフォームとしてシェア率が高いですが、アンケート調査には向いていないような気がします。

样本服务

QQSurvey:“1diaocha”という自社専用のリサーチパネルがあり、样本服务としてはプロらしいです。サービスの範囲は、アンケートの編集から回答有効性の検証までです。また、カスタマーサービスの方は英語や日本語も対応できますので、とても便利になります。

まとめ

今回は、中国のオンラインリサーチのやり方について概観し、利用できるサービスについて紹介いたしました。中国においてオンラインリサーチを行う際に、以下の2点が重要だと思います。

  • ■ 調査したいサンプル数が多い(n > 100)場合は、样本服务を利用するか自助调查の有料オプションを付けたり、賞金を用意しておいたほうがよさそうです。
  • ■ 調査対象が少ない場合は、無料でアンケートを実施する手段も使えます。

それでは、使えるプラットフォームの紹介や各サービスの比較について、下編をご期待くださいませ。


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