書籍紹介-「心脳マーケティング」


会社の隣の徳見さんの机を見たら書籍「心脳マーケティング」がぽんと置いてありました。どんな内容なの?と聞いてみると、

「実はまだ読んでないんですよねー内容ブログにまとめてくださいよ。」

え...いいよ。というわけで、ブログ初の書籍紹介ネタです。

顧客を理解するということ

この本では、

  • マーケターが消費者を理解するというとはどういうことか
  • どうしたら消費者を深く理解することができるか

という点について説明しています。従来のマーケティング理論では、消費行動はすべて意識下で行われ、消費者により言語で説明できる、とされてきました。しかし、最新の脳科学や心理学の研究で、むしろ「無意識」に取捨選択されている、ということが証明されつつあります。そのため、マーケターが消費者とその消費行動を真に深く理解するには、無意識の領域を丁寧に聴いていかなければいけません。

無意識の探求はインタビューなどを通して実施します。そこで注目するのは、消費者が使う「メタファー」です。10数人のインタビューを実施すると、全顧客共通の調査対象の「コアメタファー」=「コンストラクト」と「コンストラクト間のつながり」が見えてくるそうです。これが「コンセンサスマップ」です。

「プライバシー」のコンセンサスマップ

コンセンサスマップは消費者行動に影響を与えるので、マーケッターはコンセンサスマップを解読し、

  • 消費者の思考プロセスが似ていることを基準にグループ化する
  • 足りない「コンストラクト」を明らかにする
  • そのコンストラクトはどこにつながるか検討し、つなげるような情報を発信する

と、施策につなげていきます。

マーケティングに限らず分析の結果はリストの形で表現することが多いと思います。深い理解や施策への想像力を得るには、ネットワークの形で要素間のつながりまで表現する方がいいかもしれません。コンセンサスマップをみて感じました。

印象的だったこと

本の中で以下の4点が印象に残っています。

マーケターの無意識

本書では、マーケターが陥りやすい考え方について警鐘をならしています。

多くの消費者は既にマーケターのことを疑いの目で見ており、企業側の利益のためだけに…(中略)… 憤慨している

消費者をコントロールすることはできない。

確かにマーケティングでは消費者を「囲い込んだり」「忠誠心」をはかったり、上から目線のメタファーが多いのですが、そういう企業の無意識の態度は消費者にばればれですよ、と。マーケティングに限らずITでも「情報弱者」とかもそうでしょうか。自分の気持ちが伝わらない、と感じる人は、普段何気なく使っている言葉にマイナスの「無意識」が潜んでないか、チェックしてみると面白いかもしれません。

顧客のことを第一に考える企業のコアメタファー

また「顧客の事を第一に考える企業のコアメタファー」として以下の3つをあげています。

  • リソース
  • ナーチャリング
  • サポート

弊社も「顧客を大事にする会社」として、また企業と顧客とのコミュニケーションを支援する会社として、上記のコアメタファーを提供できているか、考えてしまいました。

データをどう読む?

それでは、マーケティングではデータとどうつきあえばいいのでしょう。この本では冒頭でばっさりこう言い切っています。

データの量は質を保証しない

数字は主観でどのようにも解釈できる

手厳しいです。
では、マーケターはデータをどうつきあえばというと、「データはアドバイザー」「データは刺激」。つまり、データは何かの結論ではなく、正しい理解と施策のための入力情報でしかない(もちろん重要ではあるが)ということだと理解しました。

ポイントは 想像力

「想像力を充分に働かせて新しい知識を受け入れる」ことが重要です。

感想

白状すると、ほんとのところマーケティングってなんなんだ?とずっともやもやしていたのですが、企業と顧客とのコミュニケーションの中で、徹底的に「聴く」役割を担っているのがマーケティングなのかなあ、とこの本を読んで考えました。人の話を聴いて理解する、理解を深めるのは本当に難しいので、常に自分の中に思いこみがないか、相手を受け入れる姿勢であるか、振り返りつつも、いろいろな新しい技術を利用して、顧客像をつくりださなければいけない、と感じました。

とはいうものの、この本の論調に反して私はマーケターの「勘」が単なる「思い込み」ではない場合も結構あると考えます。顧客を理解しようとする真摯なマーケターに、本当に有用なアドバイザー的なデータを提供するようなサービスが私たちの目指すところです。

まだ考えはめぐりめぐっているのですが、事例も豊富で面白かったです。私のアンテナに引っかからなかったのでこの記事では触れていないですが、脳波マーケティングの話も紹介されていますので、関心がある人はぜひ手に取ってみてください。


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