音響学会2015春:声の印象評価にみられる評価者の個性の影響


こんにちは、高椋です。

今回は2015年3月の音響学会春季研究発表会でポスター発表した
「声の印象評価にみられる評価者の個性の影響」
についてご紹介します。

はじめに

同じ声を聞いても、人によってその評価は違いますよね。
今回は評価者の個性が、評価の違いにどう影響するのかについて調べてみました。

調査概要

①声タイプ診断アプリで診断した女性の音声から、最もそのタイプらしい音声を選び、
選んだ5音声を約1000人(男女半々)の方に評価してもらいました。

女性声の診断タイプ

女性声の診断タイプ

②評価者の個性を知るため、評価者に価値観アンケートも実施。
アンケート結果から価値観を計算し、更に因子分析をして2因子を抽出しました。
社会性は長期間変化がない性格で、心の余裕は最近の心理状況を表しています。

価値観調査

価値観調査

 

分析1:印象評価傾向からみた評価者の個性

印象評価傾向から、評価者を男女別に4グループにクラスター分析してみました。
すると、男女どちらも似たようなグループになり、以下の様に名付けました。
  プラス面を評価するグループ   ⇒ ”褒め派”
  マイナス評価をするグループ   ⇒ ”辛口派”
  褒めもけなしもするグループ   ⇒ ”中立派”
  アンケートに回答しないグループ ⇒ ”沈黙派”

評価傾向からみた評価者の個性

評価傾向からみた評価者の個性

これを価値観の2因子でプロットしてみると、こんな感じ。

評価者傾向と価値観

評価者傾向と価値観

”社会性の高さ”と今の”心の余裕”が評価に影響しています。
褒め派の人は社会性も高く、心の余裕もあります。
中立派の人は社会性が一番高いですが、心の余裕も一番ない状況で辛口気味になっている様子。
なんとなく、日本人っぽさが出ている気がします。
辛口な人は、社会性も低めで心の余裕もないとの結果です。

因みに。。。女性と男性を比べると
女性の方が全体的に社会性が高く、「今の状況がストレスだ」と回答する傾向にあるようです!
考えてみれば納得なんですけど、実験で結果として出ると面白いですね。
今回女性は中立派が少なく、褒め派か辛口派にはっきり分かれていますが、
女性の特徴なのか、同性の声を評価したせいなのかは今回の実験では分かりませんでした。

これらの結果はアンケート回答の正規化にも使えそうです。
 

分析2:評価語選択傾向からみた評価者の個性

今度は、”印象評価にどういう言葉を使っているか”で、男女別に3グループにクラスター分析して名前を付けてみました。
 「かわいい」「誠実」など感性的な言葉で表現するグループ  ⇒ 感性派
 「ハキハキ」「暗い」など感覚的な言葉で表現するグループ  ⇒ 感覚派
 「おばさんっぽい」「若い」など属性の回答が多いグループ  ⇒ 属性派

評価語選択傾向からみた評価者の個性

評価語選択傾向からみた評価者の個性


この違いを価値観から見ると、”社会性”に有意差が見られました。
感じたことを表現する言葉には、その時の”心の余裕”は関係ないようです。

どういう言葉で印象を表現する人なのかを調べれば、その人の社会性が分かるかもしれません。

今回はざっくりと内容を紹介しました。
興味を持っていただいた方は、よければ以下もご覧ください。
声の印象評価にみられる評価者の個性の影響_論文
声の印象評価にみられる評価者の個性の影響_ポスター


This entry was posted in その他. Bookmark the permalink.