狐狸 ≠ キツネ + タヌキ?


こんにちは、胡です。
前回の「ポインタ=指針?」をふまえて、日本語・中国語と中国の各方言における表現の違いについてもう少し見てみましょう。今回は、メインが日常生活に関する言葉で、最近よく食べていた「長いもと鶏肉の炒め」(山薬炒鶏丁-shān yào chǎo jī dīng )から話を進めさせて頂きます。

食べ物に関するあれこれ

長芋:日本でもこの料理があるかもしれませんが、中国では「長いもと鶏肉の炒め」という料理はかなり人気があります。この「長芋」は、中国においては「山薬」(さんやく)と呼ばれています。日本語Wikipediaでも、「漢名の山薬(さんやく)、薯蕷(しょよ)」という記述があります。ただし、薯蕷(shǔ yù)というのは学名であり、「山薬」(shān yào)のほうがよく使われています。(薯蕷について、実は私も初耳でした)
では、ほかの食材はどんな感じでしょうか。

サツマイモ:サツマイモは、中国において学名は「紅薯」(hóng shǔ)或いは「番薯」(fān shǔ)ですが、東北の多くの人はそれを「地瓜」(dì guā)と言います。また、私の出身地である揚子江のあたりの人は、それを「番芋」(fān yù)と称しますが、なぜか焼き芋の場合だけを「山芋」(shān yù)というのが不思議だなと思います。もっと面白いのは、河北省(北京より少し南のところ,hé běi shěng)では、サツマイモを「山薬」(shān yào)、長芋を「白山薬」(bái shān yào)と呼ぶらしいです。

とうもろこし:とうもろこしは、中国語の標準語では「玉米」(yù mǐ)と言いますが、方言では呼び方が場所によって全然違います。例えば、私の出身地の蘇州市では、市内は「御麦(子)」(yù mài zǐ)と呼びますが、所轄の5つの県級市(市より一個下の行政地区)はほとんど「番麦」(fān mài)と言います。蘇州と隣接している上海と無錫では、それぞれ「番麦」(fān mài)・「珍(=真)珠米」(zhēn zhū mǐ)と言います。
Wikipediaの日本語版と中国語版の関連記事から、とうもろこしは中国では100種以上、日本では267種の呼び方があることがわかりました!

狐狸 ≠ キツネ + タヌキ?

狐狸:狐狸(こり)とは、キツネとタヌキのことでしょうか。日本語ではそうですが、中国語ではそうではありません。中国語の狐狸(hú lí)とは、キツネだけを指しています。また、タヌキ(狸)は、正式には「貉」(mò)となりますが、(日本語の影響を受けて?)最近は「狸猫」(lí māo)がよく使われます。
※狸猫は、元の意味が「ベンガルヤマネコ」ですが、タヌキとして使われる傾向が近年強くなってきました。

日本語発の単語はどんな感じ?

:畳は、Wikipediaの言語間リンクで中国語版の記事「疊蓆」(dié xí)へ飛びますが、私にとってもっとも馴染みの言い方は音の借用の「榻榻米」(tà tà mǐ)です。発音も大体「たたみ」と似ています。

津波:英語でも日本からの音借用の津波(tsunami)は、実は中国語においては「海嘯」(hǎi xiào)(古代は「海溢」- hǎi yì)という独自の表現があります。「嘯」には、「吹く」・「叫ぶ」のセンスが含まれています。

経理と老婆の意味は?

中国語には、日本語と綴りが同じなのに意味はまったく違う語彙があります。

経理:日本語の「経理」は、中国語の「会計」(huì jì)と大体同じ意味を持っています。中国語の「経理」(jīng lǐ)は、「マネジャー」という意味で、「プロジェクトマネジャー」は「項目経理」(xiàng mù jīng lǐ)になります。また、中国の企業では「総経理」(zǒng jīng lǐ)という役職があり、英语の"General Manager"に相当するものです。

老婆愛人:中国語においては、「老婆」(lǎo pó)とは妻、「愛人」(ài rén)とは恋人・夫/妻のことです。「老婆」については、「老婆餅」(lǎo pó bǐng)という美味しいお菓子があります。


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