君の美しい、君の声を聞かせよ。


君の美しい、君の声を聞かせよ。

君の声が恥ずかしいと君が思っていて、

それを私に聴かせるのを躊躇していたとしても、

私は君の声が聞きたかっただけなのだ。

それが本物なのか、それが知りたかっただけなのだ。

君の声。

君の姿。

私は壁を乗り越え、君のもとへ行くことができた。

今日、ようやく。

こんな簡単な事をできずにいた。

やっぱり、その壁の向こう側には答えがちゃんとあった。

そのことを君の姿を見た瞬間、認識した。

君は笑った、

私も笑った。

4年ぶりだったね。君が出て行ってから。

私は、君の声が聞きたかった。

薄っぺらな壁の向こうには君の声があった。

君の笑い声があった。

君の姿があった。

私はようやく君に出会えた。

今日、この日。

君に出会えたことを感謝したい。

心は浮いている、大きな心のつっかえ棒が取れたからだ。

あぁ、酒がうまい。

朝、起きられるかな、ちょっと心配になってきた。

 

それは、昨日の話だ。老けたね、と息子に言われた。分からなかったよ、それ、ユニフォーム?あぁ、今日御客さんと打ち合わせがあったからなぁ、と言いながら自分の姿を見た、確かに私の恰好はおじさんだった。ださい。藤井さん、教えてよ。気付いていなかったよ。津田さん、ダサいですよ、今日の恰好って言ってよ。

若い息子の姿かたちは悔しいが確かに恰好がよい。もてるんだろうな、羨ましいな、そうなことを考えながら、メンズブランドの店内を見回す。それから、名刺交換をして、会員データの管理とか分析、どんなキャンペーンやっているのかと言うような他愛もない話をした。確かにお洒落ではあるが、カジュアルなのに高い。お洒落な人にとってはこれが普通なのかな。私は高い服は買わないので、このブランドを好む人の価値観ってどんなものなのか分からない。想像したことを口にすると、息子はファッションと価値観の話に食いついて来た。今度、このブランドの社長を紹介してもらおう。で、結局、最後にシャツを買わされてしまった。息子にカードを渡す時、何だか妙な不思議な感じがした。

壁を壊したから、またいつでも会える。その壁は自分の心の中にあった。

そうだ、ふと私は思いついた、明日、息子に見繕ってもらったシャツを着て行こう。今日、とてもすがすがしい気分だから。


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