ガンダーラ


そこに行けばどんな夢も
かなうと言うよ
誰もみな行きたがるが
・・・
その国の名はガンダーラ
何処かにあるユートピア
どうしたら行けるのだろう
教えて欲しい
・・・
愛の国ガンダーラ
・・・
生きることの苦しみさえ
消えないと言うよ
旅立った人はいるが
あまりに遠い
・・・
素晴らしいユートピア
心の中に生きる
幻なのか

 がんだーら、がんだーら、そういう私に檄が飛んでくる。ふざけんなよ、早く打てよ。がんだーら、がんだーら、とおっ~てよ、がんだーら。マージャンの話。よく、通れないとこ、負けそうな時に口ずさんだ詩。要するに、ふざけて負けそうなゲームを遮断しているのだ。がんだーら。がんだーら。おまえさぁ、うるさいよ。そういって、友達は私を責めた。がんだーらと言ったらダメと言うルールなんかマージャンにないだろ、私は打ち続けた。がんだーらー。それ、あたり。がんだーらと言って当たったら、次から満貫払いだな、別の友人が笑った。博打に愛の国はない。

 愛の国、ガンダーラはどんな国だったんだろう。自由でみなが行きたがる、愛の国、素晴らしいユートピア、ガンダーラ。本当に、心の中の幻なのか?

 自由の捉え方は、人それぞれだ。何だ、それ、的な発言ではあるが。
 内部的な話で申しわけないが、シナジーマーケティングR&Dの研究開発ポリシー第4条にこういうのがある。

Ⅳ 革新的な「融合」のために「自由/遊び」のある環境
 目的意識のない自由はダメ、将来の夢やイメージを描け。

 さらっと、書いているけど、これを実践するのは限りなく難しい。ちなみに、弊社R&Dのポリシーは8箇条からなる。この8箇条はR&Dを立ち上げた時に作成した憲法で、判断に困ること、人の評価とか、グループの評価とか、進むべきか、戻るべきか、などの定量的な指標の無い、心が揺れる、重要な決断場面で上から順番に精査して、最終的な答えを出す時の判断材料にしている。1~4条は、基礎的な心構え、社会人としての基礎をつくるための日常的なもので、研究者でなくても遵守しなければならないもの、5~8条は研究者として忘れがちな意識して欲しいものを挙げている。1~4条ができていないと、5~8条に進めない。というか、薄っぺらになる。まずは、1~4条が重要なのだ。
 こう書くと、1~3条を知りたくなるよね。話はそれるけど。

Ⅰ 自分たちにあった仕組み作りと試行錯誤
Ⅱ 新しい手法の導入を拒むな、大切なのはその本質
Ⅲ 目標・テーマの選択に関する方針を明確に

 Ⅰは、やる気があれば、会社にただ出勤してお金をもらいに来ている人でなければ、きっとそうする。Ⅲは、社内ネゴシエーション的な話が大きい。明確にというのは、自分が思っているだけではなくて、周囲に理解されるということだからだ、これも、意外と簡単で社会人なら誰でもできる。つまり、Ⅰ、Ⅲは、普通に簡単にできること、もしかすると、研究者はできなくてもいいかもしれないことだ(できて欲しいけど、できない人がいると時々、いらっ、とするから、でもこの部分はすぐに許せる、代わりに誰かがすればいいことなので)。問題はⅡ。新しい手法は、すぐに欠点が指摘される。多少の欠点に目をつむり、そこから如何に本質を盗めるか?弊社のような弱小のR&Dに求められる能力の一番大きいのはここである。粗くてもいいので、将来大きな市場を作れるデザインを如何にすばやくデザインできるか、である。科学的に証明されている、ことはさして重要でない。既存のツールを調べて、手習いお習字のようなことをやっている暇はない。間違っていれば止めればいいこと、フライイングしないと他に勝てない。
 話はそれたが、一つだけR&Dの実践の中で分かっていることがある。Ⅰ、Ⅲは、Ⅱ、Ⅳと独立である。Ⅰ、Ⅲができても、Ⅱ、Ⅳができない、あるいはその逆はありうる。今取沙汰している、Ⅳについて、ガンダーラ的な自由について、条件がある。実は、ⅡがⅣの前提条件になっている。ここは独立ではない。依存関係だ。Ⅱができなければ、Ⅳはありえないということだ。

 自由、とてもいい響きだ。嫌いではない。でも、本質を盗める人にしか自由は来ないとも私は思う。特に私と仕事をする場合。今の時代、自由なんか、どこにでもある。そんな遠くにあるものでもない。何もかも捨てれば、あるいは、要領よくやる奴は、いつだって自由だ。でも、それは、ガンダーラの自由なのか、そうだとは思えない。その自由の質を考えて欲しいのだ。そこに行けばどんな夢もかなう、そんな世界はない。あるとすれば、そこに行く、という行為に質的な重要性、困難性があるのだろう。場所が分からないと、歌詞でも言っているように。
 行くことが難しいガンダーラ、手に入れることが難しい自由も、「心の中に生きる幻」でないことだけは確かだ。少なくとも、私の場合、幻ではなく、しっかりと心の中に生きている。


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