オープンラボ2013発表資料解説:食とライフスタイルに関する調査研究



はじめに

オープンラボ2013にご来場いただいたみなさまありがとうございました!

発表資料の一部は当サイトからダウンロードできるようになっておりますので、
残念ながらご都合が合わずにお越しいただけなかった方にもご覧いただければと思います。

資料のほとんどはポスターをそのままPDFファイルにしたものなので、初見ではなかなか分かりにくいところもあるかも知れません。
私の発表部分について少し補足しておきたいと思います。

研究について

本研究は株式会社エルネット様との共同研究です。エルネット様が運営するレシピサイトボブとアンジーについて、アクセスログ分析とユーザアンケート、さらにはユーザへのインタビュー調査を組み合わせたものになっていますが、このポスターはその中で主にアクセスログとユーザアンケートを組合わせた分析についてまとめています。

食とライフスタイルに関する調査研究 ーレシピサイトユーザモデルー
poster2013-6-2

※クリックでポスターをPDF形式で表示

研究の意義

本研究全体としては、以下3点を目指して始めたものです。本エントリで紹介するポスターは2番目について説明するものです。

1. 食や料理に対する価値観を知る

「食」は人間の生活において最も重要な要素の一つであり、食に対する価値観を知ることは消費者理解においても極めて重要だと考えられます。
今回は特に家庭における食事や料理ということについて様々な調査を行うことにしました。

2. アクセスログと価値観の紐付け

弊社はSocietasという、消費者の価値観を定量化、類型化する技術を開発しましたが、価値観を知る手段としては消費者へのアンケートに頼る部分が大きいというのが現状です。しかし、全ての消費者にアンケートを取ることは現実的ではありませんから、観測できる行動から価値観を推定することがポイントになってきます。
本研究ではサイトの閲覧行動と価値観の関連を分析し、サイトの閲覧行動から価値観を推定できる可能性を探っています。

3. データ分析と定性調査のコラボレーション

データ分析と定性調査の組合わせ(参考記事)が注目されています。
我々はデータ分析、エルネット様はインタビューや行動観察といった定性調査に強みがありますので、両者をどう組み合わせるかということが共同研究における重要な関心事でした。

手法について

アクセスログを価値観に紐付けるのに一番難しいことは、アクセスログが非常に複雑なデータであるということです。
まず、今回は簡単のためレシピの詳細ページを見たというログだけを分析対象とし、さらにログそのものではなく、ログから見えてくる「レシピ閲覧パターン」とレシピを見るユーザの価値観の関連を見るというアプローチをとりました。
後者については、pLSAという一種のクラスタリング手法を使うことで、ある特徴をもったレシピ、またはそうしたレシピを見るユーザを分類することができました。

結論

結果としてレシピまたはユーザに対して8つの分類を見つけることができ、これらに対して価値観や料理スキルの特徴を見ることができました。従ってある人のレシピ閲覧パターンから、その人の食や料理に関する価値観や料理スキルをある程度推測することも可能だと言えます。また、この結果を使うことで、ユーザとレシピのマッチングといったことを実現できるかも知れません。

今後の課題

このエントリでは詳しく述べませんが、エルネット様の発表ポスターにあるように、レシピサイトは利用者の生活サイクルに応じて異なる動機で利用されることが分かっています。これは同じユーザであっても時間帯によって異なる閲覧傾向が現れるということを示唆しています。このことについてさらなる分析が必要と考えています。


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