UX KYOTO #03 参加レポート(1)


情報デザイン研究室の浅野先生にご紹介いただき、14日(日)に「UX KYOTO #3」に参加してきました。
発足して間もないUX KYOTOですが、浅野先生のHCDワークショップを毎月1回(全7回)開催するという、いきなり充実した活動をされてます。
関西ではこういった活動が少ないので、とってもありがたいです。

浅野先生の講習は、全体感を捉えつつバチッとポイントを押さえた話をしてくださるので、とってもわかりやすいです。
そして、自分も学生に戻ったようなフレッシュな気持ちになれますw

#01〜02では、まずは体験をということでいきなりユーザ評価の実践だったようですが、#03ではラッキなー事にHCD概論の講習からスタートです。

聞いたことのある内容も紹介されてましたが、何度聞いても新しい気付きや発見は沢山ありますね。

ということで、印象に残った講義のメモです。
私の意見や解釈も入っていますので、あしからず、、、

改めて、大切だねって思ったこと

UB→UX

ISO 13407では「使えないもの使えるようにすること」というユーザビリティの概念でしたが、昨年改訂されたISO 9141-210は「ユーザにより良い体験を」というUXの概念になった。

UXの視点

UX白書」ではUXを期間で区切り考え方を整理している。

UXというと、利用中の「インタラクションが気持ちよい」ことに注力しがちですが、これは一時的なもの。
長期品質が高い「累積的UX」がビジネス観点では重要ですが、この評価は難しく(時間がかかるから)、まだ体系化されていない。

モバイルファースト

アジアやアフリカではPCをすっとばして、いきなりスマホブーム。
スマホの登場によってモバイルファーストが加速化している。
そもそも今のWebは図書館学を参考にしたためにツリー型の構造(ひとつひとつ条件を絞り込んでいく)となっているが、アプリはその人の文脈に合わせた情報をピンポイントで提供(パーソナル化)するので、ユーザはしたい事をアプリからスタートさせる。

<例えば、会社帰りに急に飲みに行く場合・・・>
PC:毎回、「場所、カテゴリ(和食、イタリアンとか)、予算、人数、時間」などの条件を検索
スマホ:アプリを立ち上げるだけで、自分に合った趣味趣向の近所の開店中のお店を表示

日本人、特にWeb業界人はPCを使い慣れているので「自分で自由に情報を探せる事が便利」だと思いがちなので、検索する経験がない人が今後増えていくだろうということは意識しておかなきゃ、、、と思いました。

どうやって設計するの?

ユーザの文脈にあわせた体験をデザインするには、ユーザを知る必要がある。
だから、HCD(人間中心設計)。

モノのデザイン → コトのデザイン

ずっとモノを作ってきた人は、モノをどうするかを考えがちですが、UXではコトをデザインしなければならない。
モノのカタチや機能から入るのではなく、利用シーンなどから入る事が大事。

わかっていても、油断するとすぐモノについて考えてしまうので、ここも意識する事が大切。

その他、個人的に面白かったこと

上記は一般的に重要な事ですが、こちらは徳見個人的に面白いと思ったことです。

ペルソナ/シナリオ法

「ペルソナ/シナリオ法」はソフトウェア業界では古くからあったが、マーケティング手法としては4〜5年前に大伸社さまが取り入れだした。
今年1月に2日間講習うけたので、なんだか納得。

HCDのあゆみ

アメリカでノーマンがユーザ中心設計(UCD)を提唱し、ヨーロパで国際基準機構のISO13407(インタラクティブシステムの人間中心設計プロセス)が規定される。
そんな中、日本もHCDに取りくまにゃ!ということで、当時液晶の入力デバイスをもったコピー機メーカーが中心となって研究に注力。そうこうしているうちに、日本の経産省(だったかな?)の方針が変わってしまったが、HCDの重要性に企業は気づいたため、ビジネスの中でHCDに取り組まれてきている。
というようなお話だったと思います。

黒須先生の記事では、ユーザビリティ前史で計測自動制御学会や機械システムが人間工学と関係が深いと書かれてましたので、日本人での計測の研究は早々から始まってたのかもしれません。(すみません、ちゃんと事実確認はしていません)
http://www.hcdnet.org/hcd/column_01/14.php

ユーザテストには馴染みがあるというか、まずはユーザテストからやろうという日本の気質は、こういうところから来ているのかも。

また、当時企業でHCDを研究されていた研究者が、今教授として学生や社会人に教えているそうです。
確かに今精力的に活動されている先生方は、企業出身が多い気がしますねー。

歴史を知る事で、現在と今後の流れが理解しやすいので、また勉強してまとめようと思います。

ユーザの行動パターン

デバイスは時代とともに変わるが、ユーザーの行動は変わらない。

<例えば友達とご飯に行く場合>
江戸時代:あの瓦版に載ってたそば処に行ってみようでござる
明治初期:今朝の新聞に載っていた洋食店に行ってみましょう
昭和:テレビで紹介されていたお店に行ってみよう
今:食べログで人気のカフェに行ってみよう

ビジネスエスノグラフィ

エスノグラフィを日本で実践した初期の本で有名なのが「暴走族のエスノグラフィ」。
# 本のタイトルは知ってましたが、まだ読んだ事ない・・・

その後、日本では東大×博報堂がビジネスにエスノグラフィを取り入れだした。
博報堂さんは、エスノで有名ですね。
一度受講してみたいです。

HCD×ビジネス×シーズ

最後に大切な事として、HCDは設計の概念なので、ビジネスとシーズ(技術)と一緒に考える必要があるということもおっしゃってました。
これまで色々なセミナー等を受講していても必ずビジネス視点の話しが出てきます。
なんでもかんでもHCDが良い訳ではなく、プロジェクトによってHCDを取り入れるかという計画もISO 9141-210には盛り込まれています。
戦略と一緒に考えるということは、生産部門だけでなく企業横断的にこれらの概念を共有する必要があるのだと思います。
このあたりをどう伝えて行くか、というのもひとつの課題ですね。

午前の講義のメモはここまで。
つづきは明日・・・


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