パターンライティング(1)(2) 〜慶應大の講義より〜


慶應、井庭先生のパターンランゲージの授業4・5回目。
パターンマイニングでパターンを見つけたら、次は書く(パターンライティング)です。

今回も授業の内容を徳見の解釈でまとめます。

パターンライティング

井庭先生のパターンライティングのフレームはこちら。

  1. パターン名
  2. 概要(導入文)
  3. Image(写真やイラスト)
  4. Context(状況)
  5. Problem(問題)
  6. Solution(解決)

テキストだけではわかりにくいので、まずは井庭先生のプレゼンテーションパターンからプレゼンテーション・パターンの読み方のイメージをご覧ください。

井庭先生のプレゼンテーションパターン

これが完成系です。
引用文はなくてもいいですが、パターンの内容を生き生きとイメージできるようにするために入れているそうです。

ライティングは以下の流れで進めます。

Context(状況)/Problem(問題)/Solution(解決)

ライティングといっても、いきなり書き出すわけではありません。
まず、パターンマイニングでたくさんのパターンを抽出し、そのパターンのアプローチによって Context や Problem、Solutionを考え、パターンに肉付けします。

うまくいっている事例からのアプローチ
解決のコツのようなものが見いだせたら、それがどんな問題(Problem)の解決策(Solution)なのかを考える

うまくいっていない事例からのアプローチ
問題(Problem)を見いだしたら、それがどんな状況(Context)で起こるのかを考える

理想的な側面からのアプローチ
やったことがないし、世の中にもないが、理論的にはうまく行く事がわかっていること(このアプローチはあまり使われない)

これらのアプローチから Context / Problem / Solution を導きだせた状態が、パターンの種です。
パターンの種から、Context と Problem の間にある Forces(背後にある要因)と、Solution(解決策)に伴う Action も考え、パターンの中身を育てます。

Image(写真やイラスト)

Imageは挿絵ではなく、パターンの一部であり意味を伝える重要な表現です。
生き生きとした写真やイラストがあることで、読み手の想像力をかき立てられます。
パターン・ランゲージの提唱者であるクリストファー・アレグザンダーも、イメージ(写真)を重視し、ページ1面に大きく掲載しているそうです。

イメージは写真だけでなく、イラストやレゴなど表現方法は様々です。
井庭先生は、写真は生き生きとした描写としては良いが、時代や文化を反映してしまうので、イラストを使っているそうです。

また、イラストは本質を掴めていたら描きやすいですが、掴めていないと描き難く、反対に本質が掴めていないときにイラストを描くことで文章が書きやすくなることもあるそうです。
論理的に進めるところまで進めて、行き詰まったら、描く、右脳と左脳のスイッチの切り替えを繰り返す事が良いとのことです。

導入文

これは、井庭先生独自のアイデアです。
パターン名と合わせて読むだけで、Context / Problem / Solution のイメージを掴む事ができる要約です。

パターン名

Solution を表した短い言葉。

パターンマップ

パターンの関係性を表したネットワーク図のようなもの。
これがないと部分の寄せ集めになるため、作成しようとしているそうですが、録画された昨年の段階では、まだ試行錯誤中とのことでした。

ライティングのポイント

先生の話しの中でポイントだな、と思ったこと。

  • 一度書いて終わりではなく、何度も「本当にこれでいいのか?」と、ブラッシュアップさせることが大切
  • 事例をたくさん集める
  • 1人でやっても意味がなく、2人以上でやることで、共通する単一の特性を抽出することが大切

感想

授業の中で実際パターンを作成した時の紹介があり、どれくらいの期間がかかるのかも話されてました。
週1回の集まりで、パターンマイニング(ブレスト&KJ法)で6日間、パターンライティングで4ヶ月間くらいかかったそうです。
ライティングは個人作業もあるそうですし、集まりでも8時間以上の作業だったりと、なかなかの労力です。

パターンマイニングとパターンライティングの流れを学んだので、あとは実践あるのみ!
何かこういうことが活かせるプロジェクトないかな・・・

ちなみに、授業はまだ続きます。


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