デザインリサーチの体系


はじめまして、徳見です。

私はデザインやUXをテーマに、学んだ事や感じた事を書いていこうと思います。

突然ですが、最近「EMERGING TRENDS IN DESIGN RESEARCH」という図がお気に入りです。

ここ最近、
「ユーザ中心設計以外に、どんなデザイン手法があるのだろう?」
「ユーザ参加型とユーザ中心設計は何か違うぽいけど、どう違うんだろ?」
「ユーザ中心設計の次に注目されている手法は?」
「木を見て森を見ず状態になってへん?」
などと、ボンヤリ考えてました。

そんな中、とある講習会でサラリと紹介されていた図に食いつきました。
デザインの体系をわかりやすく捉える事ができ、とってもしっくりきましたので紹介します。

デザインリサーチの体系

デザインリサーチの体系
maketools.com
オハイオ州立大学 Elizabeth B.-N. Sanders博士、Peter Kwok Chan博士

2007年に発表された、5年間の調査結果をまとめた、デザインリサーチの体系のシークエンス(配置)図です。

Approaches to design research have come from a research-led perspective and from a design-led perspective. The research-led perspective has the longest history and has been driven by applied psychologists, anthropologists, sociologists and engineers. It aspires to being more like science and less like art.
The design-led perspective has only recently come into view. It does not aspire to conform to scientific ways of assessing value or relevance.
The map of design research is also characterized by an east/west dimension. The eastern and western parts of the landscape are vastly different cultures that are built upon radically different mindsets. In fact, many people are not able to cross from one culture to the other.
The west side of the map describes a culture characterized by an expert mindset. Design researchers here are involved with designing FOR people. These design researchers consider themselves to be the experts and they see and refer to the people as “subjects”, users”, “consumers”, etc.
The east side of the map describes a culture characterized by a participatory mindset. Design researchers on this side are designing WITH people. They see the people as the true experts in domains of experience such as living, learning, working, etc. Design researchers having a participatory mindset respect the expertise of the people and see them as co-creators in the design process.

<意訳>
「研究主導」は、心理学や人類学、社会学などの視点から研究されてきたアプローチで、アートというよりは科学的であることを指向します。
「研究主導」に対する「デザイン主導」は、価値や妥当性を科学的に評価することを指向しません。

図の東側と西側は大きく異なる文化を表わしますが、その違いとは根本的な考え方の違いによるものです。「専門家の思考」では、「人々のために」デザインします。
彼らは自らを「エキスパート」と考え、人々のことを「研究対象」「ユーザ」「消費者」等と扱います。
一方「参加型の思考」では、「人々と共に」デザインします。
彼らは人々こそが、「生活」「勉強」「仕事」等といった体験において、真のエキスパートだと考えています。
「参加型の思考」を持ってデザインリサーチを行う人は、人々の専門性を尊重し、デザインプロセスにおいて共同製作者だと考えています。

「ユーザ中心設計」は、専門家の思考かつ研究主導エリアに大きく配置されています。
このエリアには「ユーザテスト」や「人間工学」「エスノグラフィー」「コンテキスチュアル・インクワイアリー」と、ユーザ中心設計に関連するおなじみのワードが含まれています。
ユーザ中心設計はアメリカを中心に発達した、論理的なデザインアプローチといえます。

右のエリアを占める参加型とは、デザインプロセスにユーザも参加し、ユーザと一緒にプロトタイプを作りながら思考する手法です。

ビジネスにおけるデザインは、ユーザ中心設計のエリアが注目されていますが、IDEOのような世界最先端のデザインコンサル会社では、参加型のアプローチもとっているようです。

友人が働くある会社も、意識しているかはわかりませんが、参加型のアプローチをとっています。
その会社は、たった15名程度のスタッフで、素敵なWebサービスを提供しています。
リサーチやテストをするコストやリソースが十分でない代わりに、実際のユーザ(一般ユーザとファンユーザ)から評価とアイデアを提供してもらう仕組みや機会を設けています。
参加型デザイン+リードユーザイノベーションが自然に実施され、ビジネスに活かされている素敵な実例だと思います。

これからのデザインへのアプローチは

「ユーザ中心設計」は、1986年にドナルド・ノーマンの「誰のためのデザイン」にて提唱され、約25年の時を経てモノ作りの様々な現場に浸透していきました。
同様に数年後には、参加型のアプローチがスタンダードになっているかもしれません。

generative designやcritical designのビジネスへの活用は、具体的なイメージがつきませんが、色々なアプローチを知る事は、可能性がどんどん膨らむようで楽しいですね。

maketools.comにはもうヒトツ気になるレポートがありますので、そのうち紹介したいと思います。


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