超高齢社会を垣間見た

最近の土曜日、調査のため会社へ出勤した帰り道での出来事。

最寄のJR駅前からバスに乗り、家路に向かっていた車内、私が降りるひとつ手前の停留所でのことだ。

この頃は、ICカードも普及していて、みんなピッピ、ピッピとカードをタッチするから、バスの乗車も降車も早い。

最後に降りようとしているおじいさん、年のころは70代か?身なりはまあ普通、連れの人はやや若い男性、ここでは降りないのか「じゃあお疲れ様でした」と声をかけていた。

ここからおじいさん劇場の開幕だ。

カードではなく、現金で支払おうとしている。私は小銭を握り締めてバスに乗るタイプの人だから、当然チャリンとお金を入れてさっさと降りるものだと思い込んでいた。

が、しかし、立ち止まり、ゆっくりと鞄から小銭入れらしきものを取り出し、薄暗い車内で確認しているようだ。まあ、そこまではありとしよう。

次に何が起こるんだろうと、観察していたら、鞄を近い座席に置きなおし、もうひとつの財布があるのだろう、ごそごそと探し始めた。

ここで、運転手さんは、バスのエンジンを切った。

やっと、鞄から財布を出せたと思ったら、その財布をごそごそ・・・やっと千円札が出てきた!

座席に置いた鞄を持ち、運転手さんのアシスト受けながら、のろのろと千円を両替して、なんとか、運賃を支払うことができたのである。

私が、すごく不思議に思ったことは、連れの男性(しかも若そう)が、何もしなかったこと。あのおじいさんはそういう人って分かっているから当たり前の行動と思っていたのかしら?

車内の誰もが(私も含め)じっと何も言わず見守っていたのは、係りたくない気持ちの現われだったのか。

私は、情報処理学会でASDの研究会に登録・参加しているのだが、意識はあっても、行動の起こせない自分に、なんだかなあ・・・と反省しきりであった。

もうひとつ、余談。

私も、次の停留所で無事にバスを降り、家に向かう途中、はたと思いついて、スーパーマーケットに立ち寄った。

レジは二つあいていた。まあ、こっちのほうが早そうかと並んでみた。

すると、目の前にはどこかで見たことのある光景が・・・繰り広げられていた。

おじいさん。財布。小銭。ごそごそ。

思わず、「déjà vuか」とつぶやいてしまった。

二度あることは・・・なんていいますが、今日はこういう日だったのかなと、自分を納得させ、家路についた。